尿管結石 手術当日
手術日当日、僕は病院の手術室に行きました。
その日は朝から鈍い痛みに襲われていましたが、手術前に座薬を入れてもらい、少し和らぎました。
病院専用の手術着に着替え、特別な機械に足を曲げて横になるようにし、事前に撮ったレントゲンで石のある位置を確認し、その位置に衝撃波が当たりやすくなるように微調整しました。
別室で機械をコントロールするお医者さん(専門の技師のような方)がマイクを通じて僕にいろいろとメッセージを送ってきました。
「息を吸って~吐いて~。とか、リラックスしてください。少し痛いかもしれませんが、どうしても痛かったら遠慮無く手を挙げて合図してください。」
など優しくおっしゃってくれました。
そしてすぐに術式が開始されました。
ガツーンガツーンという音と共に、体に衝撃が伝わってきました。
想像していたよりも大きいものでしたが、我慢できないことはありません。
それよりもこれまでの、石が尿管に詰まる痛みのほうが何百倍も強烈です。
だいたい1時間くらいして終わった後、その技師の方から、痛くなかったですか?と聞かれました。
痛かったら合図するように言われていたのですが、一時間以上の間、僕は身動きを全くせず何のリアクションもとらず、じっとしていました。
普通は痛くて術中も苦しむ方が多いそうなのですが、僕は全く違っていたので、ひょっとしたら気絶しているのではないか?と思われたのかもしれません。
しかし、僕の頭の中は早く終わって欲しい。それだけでした。
術中も痛かったのですが、少し意識がもうろうとしていたところがあったのかもしれません。
1時間くらいしてから、「無事終わりましたよ。」と言われ、痛みはあったのですが、ホッとしました。
これでもう、あの痛みから解放されるのかと思うと、嬉しくてなりませんでした。
お腹を切らずに入院もしないで済む、この画期的な方法は素晴らしいなと思いました。
僕たち人類を苦しめる、あの憎っくき癌も、このような方法で簡単に治って日帰りできるようになればいいなと思ったことを覚えています。
僕は癌で大切な人を亡くしているので、早く癌がこの世から無くなればいいなと思っています。